大人向けに予防接種を行います


予防接種のイメージ

当院では、主に大人向けにインフルエンザワクチン、および肺炎球菌ワクチンの接種を、それぞれ行っております。

※インフルエンザ・肺炎球菌ワクチン以外の予防接種をご希望の方は、ご相談ください。

予防接種とは

予防接種は、細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチン(抗原物質)を接種することによって免疫をつけ、特定の病気になりにくくし、また、たとえその病気になったとしても軽く済むように行われます。ワクチンは、感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、また、それらを無毒化したりしてつくられます。これを注入することによって、体内に抗体(病原体と結合し、それを体内から除去するように働くたんぱく分子)をつくらせ、当該感染症に罹りにくくし、また重症化を防ぎます。ほかに、感染症の流行を阻止する(集団免疫)という目的もあります。予防接種は「自分のため、そして周りのみんなのため」に受けるのです。

インフルエンザワクチン

武蔵野市・三鷹市・杉並区・練馬区・小金井市・西東京市在住で65歳以上の方 2,500円(税込)
小児インフルエンザ任意接種助成 助成金額:2,000円
自己負担金:500円(税込)
上記以外の方 2,500円(税込)

*13歳未満の方には原則として2回接種をおすすめ致します。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症で、このウイルスに感染すると1~3日くらいの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。併せて普通の風邪と同様に、喉の痛み、鼻水、咳などの症状も見られます。お子様では痙攣や中耳炎、稀には急性脳症を、高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、時に重症化するケースがあります。

インフルエンザの予防

インフルエンザの感染予防には、「マスクの着用」「手洗いの励行」「適度な湿度の保持」「十分な休養」「バランスのとれた栄養摂取」がポイントです。もう一つ、インフルエンザを予防する有効な手段に、流行前のワクチン接種があります。インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプがはやるので、その変化に対抗するために、予防接種も毎年行う必要があります。

インフルエンザワクチンの接種時期

インフルエンザワクチンは接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続しますので、日本でインフルエンザが流行するのが例年1月上旬~3月上旬であることを考えると、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいでしょう。

肺炎球菌ワクチン

肺炎とは

肺炎とは、主に細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染して炎症を起こした状態です。呼吸器の防御機能が病原微生物を排除できなかった場合や、病気やストレスなどのために免疫力が落ちている時など、つまり感染力が防御力を上回った際に、病原微生物が上気道から下気道、そして肺にまで入り込んで感染し、肺炎になってしまうのです。がん、心臓病に続いて、肺炎は日本人の死亡原因の第3位を占めています。高齢者*や基礎疾患を持っている方などは肺炎にかかりやすく、しかも治りにくい傾向がありますので、特に注意を要します。

*肺炎で亡くなる方の95%くらいが65歳以上です。

肺炎球菌ワクチンの接種で予防

肺炎を予防するためにできることの一つに、肺炎球菌ワクチンの接種があります。肺炎の原因菌で最も多いと見られるのは、肺炎球菌です(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因と言われます)。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぎます(※すべての肺炎を予防できるわけではありませんので、ワクチンを接種したからといっても、うがい・手洗い・口腔衛生など日常生活上の予防対策は怠らないでください)。

ニューモバックスNP(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)について

高齢者肺炎球菌定期接種

対象 ①武蔵野市または三鷹市在住の65歳の方
②武蔵野市または三鷹市在住の60歳以上65歳未満で特定の疾患を有する方※
※心臓、腎臓又は呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される 程度の障害を有する方及びヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能が低下し日常生活がほとんど不可能な程度の障害を有する方
接種回数 1回
自己負担 5,000円

ニューモバックスNPは、90種類以上ある肺炎球菌の中でも特に病原性の高い23種類に対する免疫をつけるワクチンで、肺炎球菌を原因とする肺炎のうちの約8割に効果があると言われています(肺炎の発症にまつわる原因は多種多様であるため、全ての肺炎を予防できるものではありません)。

ニューモバックスNPの効果を示すデータとしては、インフルエンザワクチンとの併用で、高齢者(75歳以上)での肺炎罹患率が59.1%減少し、また肺炎入院率が57.3%減少した、という報告があります。その他にも、糖尿病患者や慢性心疾患患者についての肺炎球菌感染症リスクの減少、COPD患者についての感染性憎悪の減少などの効果が、それぞれ認められています。1回の接種により抗体価(抗原に対して産生された抗体の量)は上昇し、接種5年後も十分な抗体価が持続します。

つまり、ニューモバックスNPによる肺炎予防効果は約5年間、期待できるのです(初回接種から5年を経過した場合には、再接種が推奨されています)。ニューモバックスNPの接種率は米国の約60%と比較して、日本では18%(2013年時点)と、先進国では低い水準にありました。わが国における接種率の向上を目指して2014年10月より定期接種化されたわけです。

プレベナー20(PCV20:沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン)について

対象 ① ニューモバックス接種済の高齢者に対する追加免疫
② 肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳以上の方
③ 66歳以上でニューモバックス未接種の方
価格(税込) 11,000円
接種回数 原則として1回のみ

プレベナー20(PCV20)は、肺炎球菌性肺炎に対するエビデンスのあるプレベナー13に7つの血清型を加えることで1回の接種(成人の場合の用法・用量)で最も広い20種類の肺炎球菌血清型(1,3,4,5,6A,6B,7F,8,9V,10A,11A,12F,14,15B,18C,19A,19F,22F,23F及び33F)をカバーし、免疫記憶を成立させる肺炎球菌結合型ワクチン(コンジュゲートワクチン)です。
PCV20で追加された7つの血清型(8,10A,11A,12F,15B,22F及び33F)は、抗菌薬耐性に係わる血清型(10A,11A,15B,22F及び33F)、アウトブレイクと関連性する血清型(8及び12F)、さらには髄膜炎との関連や高い致死率など疾患重症度が高くなる血清型(10A,11A,12F,15B,22F及び33F)を含み、医学的に重要な特性を有しています。
PCV20は、肺炎球菌莢膜多糖体抗原にキャリア蛋白を結合した結合型ワクチンであり、T細胞非依存性及びT細胞依存性の免疫応答を惹起し、免疫記憶が成立します。1回の接種で肺炎球菌に対する質の高い免疫が持続しますので、66歳以上でニューモバックス未接種の方の任意接種としても有用性が高いと考えます。

2種類の肺炎球菌ワクチンの組み合わせによる接種について

ニューモバックス及びプレベナー20は肺炎球菌ワクチンとしての肺炎球菌血清型のカバー範囲が異なります。両者を組み合わせて接種することで肺炎球菌血清型カバー範囲を拡大する、つまり肺炎球菌に対する守備範囲を拡大することが出来ます。
我が国では、65歳の成人を対象としたニューモバックスの定期接種が行われていますので、両者の組み合わせによる接種を希望される方は、まずニューモバックスを接種して1年以上の間隔を空けてプレベナー20を接種することを推奨します。

インフルエンザワクチンの併用接種

インフルエンザワクチンの接種を併せて行うことは、肺炎予防の強化につながります。そのため、肺炎の予防には、肺炎球菌ワクチンだけでなく、インフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。

成人用肺炎球菌ワクチンの接種が奨められる人

  • 65歳以上の方
  • 養護老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
  • 慢性の持病をお持ちの方(COPD等の呼吸器疾患、糖尿病、慢性心不全、肝炎や肝硬変等の慢性肝疾患など)
  • そのほか(病気や免疫抑制療法のため感染症に罹りやすい状態にある方、脾臓摘出などによる脾臓機能不全のある方など)

*日本呼吸器学会「成人市中肺炎診療ガイドライン」(2007年)/「医療・介護関連肺炎診療ガイドライン」(2011年)より

※高齢者を対象とした成人用肺炎球菌ワクチンは、予防接種法に基づく「定期接種」です(定期接種の対象となる方は、生年月日により毎年異なります)。対象期間内に、市区町村の契約医療機関や保健所で接種を受けると、「公費助成」が受けられます。詳しくは、お住まいの市区町村にご確認ください。

帯状疱疹とは?

帯状疱疹は、多くの人が子供のときに感染する水ぼうそうのウイルスが原因で起こります。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは体内(神経節)に潜伏し、加齢などによる免疫力の低下により発症します。特に50歳代から発症率が高くなり、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹を発症すると言われています。発症すると、皮膚の症状だけでなく、神経にも炎症を起こし痛みがあらわれます。神経の損傷がひどいと皮膚症状が治った後も、痛みが続くことがあります(帯状疱疹後神経痛)。日本人成人の90%以上はこのウイルスが体内に潜伏していて、帯状疱疹を発症する可能性があります。

2種類の帯状疱疹予防ワクチンについて

水痘弱毒生ワクチン シングリックス
メーカー 阪大微生物病研究会(ビケン・日本) グラクソ・スミスクライン(英国)
対 象 50歳以上 50歳以上
種 類 乾燥弱毒生ワクチン サブユニットワクチン
価格(税込) 7,700円 22,000円
接種方法 皮下注射 筋肉内注射
接種回数 1回 2回(2ヶ月あける・遅くとも6ヶ月後まで接種)

帯状疱疹の発症予防に使用されているワクチンは2種類あり、2016年3月に日本で最初に認可されたのが乾燥弱毒生水痘ワクチン(阪大微生物病研究会:ビケン)、および2020年1月から日本国内での発売が承認された世界初の帯状疱疹サブユニットワクチンであるシングリックス(グラクソ・スミスクライン)です。まず生水痘ワクチンについてですが、生ワクチンのため免疫抑制剤を使用中の方やがんの化学療法で免疫力が低下しているような方は禁忌とされています。一方でシングリックスですが、遺伝子組換えVZV糖タンパクEを抗原とし、アジュバントシステムを追加することで細胞性免疫の賦活効果を高めたサブユニットワクチンで、生ワクチンではないため免疫抑制状態の方にも接種できます。
帯状疱疹発症阻止効果については、ビケンの生ワクチンとほぼ同じ組成のZOSTAVAX群において、帯状疱疹の発症が60歳以上全体で51%、年代別では60-69歳で64%、70-79歳で41%、80歳以上で18%、帯状疱疹後神経痛が66.5%、重症度が61.1%抑制されたと報告されています。一方、シングリックスは50歳以上(ZOE-50)で97.2%、70歳以上(ZOE-70)で89.8%、この2つの試験を併せた70歳以上の被験者の解析では91.3%、さらに帯状疱疹後神経痛に対する有効性は88.8%と生ワクチンに比し驚異的な予防効果を示しています。
接種後の副反応についてですが、シングリックスはアジュバント入りのワクチンであるため、局所の疼痛腫脹・筋肉痛・倦怠感・頭痛・発熱などの副反応が約30-40%と高頻度で認められますが、局所の疼痛腫脹・筋肉痛は3日程度、倦怠感・頭痛・発熱などは1-2日程度でおさまります。生ワクチンでは倦怠感・発疹といった全身性の副反応の頻度は1-2%程度と低く押さえられています。
また、生ワクチンは帯状疱疹の発症予防効果が50%程度とはいえ、細胞性免疫も賦活化するため、発症しても症状を軽く抑えられる可能性が高いと考えられています。シングリックスは2回接種が必要で接種費用も4万円以上となり、生ワクチンの接種費用の6倍以上かかる点も接種の際には問題となります。2種類のワクチンのメリットやデメリット、つまり、「2回接種で接種費用はかかるが高い予防効果を求めるか」または「1回接種で安価で副反応が少ないワクチンを求めるか」をよく考えてワクチンを選択することが大切になります。
当院では患者様のご要望に応じられるように、2種類の帯状疱疹予防ワクチンの接種が可能となっていますので、接種を希望される場合は予め電話等によるワクチンのご予約をお願い致します。

その他ワクチン

MRウイルスワクチン 7,700円
アレックスビー(RSウイルスワクチン) 27,500円
エイムゲン(A型肝炎ワクチン) 7,700円
ビームゲン(B型肝炎ワクチン) 4,400円
ヘプタバックス(B型肝炎ワクチン) 4,400円
破傷風トキソイド 1,100円

全て(税込)

理事長
中嶋 伸(日本呼吸器学会指導医/日本呼吸器学会専門医)
診療科目
呼吸器内科・内科・外科
TEL
0422-21-6251
住所
180-0004 武蔵野市吉祥寺本町2丁目14-5 SAURUS吉祥寺2F
最寄駅
吉祥寺駅徒歩6分
休診日:日曜、祝日
木曜:訪問診療及び往診のみ(通常診療は休診です)
診療時間 日・祝
8:45 - 13:00
15:00 - 18:00
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